原始人健康学−家畜化した日本人への提言−
藤田紘一郎
新潮選書/１９９７
| 私は、今、日本人があぶないと思う。日本人の健康が誤った方向に行ってしまったように思える。 清潔さばかりを求める健康信仰は、錯覚にすぎないのだ。そして、衣・食・住が完全に与えられた日本人は「家畜」としてしか生きられなくなっている。 肉体的にも精神的にも、衰弱した生き物となってしまったのだ。「家畜化した日本人」を救うには、思い切って「原始人」に戻すことしか方法はないだろう。 |
| 物語は、インドネシアのブル島から始まる。 若き著者が熱帯の感染症の調査をすべく、向かった先で見たものは、ほぼ全員が寄生虫を宿しながら生き生きと生命力たっぷりに生きている姿であった。そこで、著者は健康の概念を考え直さざる得なくなる。 「笑うカイチュウ」等でおなじみ寄生虫博士。 清潔さばかりを求めた日本人が陥った家畜化現象。その行き着く先に警鐘を鳴らし、今後、我々の取るべき道について提言する。 うーん。でも寄生虫は宿したくないなあ。 |
| 目次 |
| プロローグ 第一章 「健康」は共同性が作った幻想 第二章 日本人の家畜化現象 第三章 自然治癒能力を高める健康法 第四章 医食同源・時代はナチュラル エピローグ |
