Ｗさんからの依頼を受けて開催した湖南薪の会。
サクラとアカマツの伐採を行いました。
日時：令和３年１１月２８日（日）１０：００～１４：００
場所：郡山市湖南町青松浜
主催：湖南薪の会
雪の便りも聞かれるようになりましたが、この日は時折雨が散らつくものの晴れ間も見える穏やかな日、７人が汗を流しました。
郡山市湖南町のＷさんは、自然学校の代表を務めています。
今回、畑の脇のサクラと家の前のアカマツの伐採をお願いされました。
現場を見ると、どちらも大木で伐倒方向が限定される難しい箇所。
山林では無いですが、困っている人がいて手伝えるなら引き受けましょう。
さて、まずはサクラの木。
畑の脇に小屋があり、ほとんどくっついています。
株立ちで３本に分かれており、その１本１本が直径４０～５０ｃｍくらいある大木です。
しかも２本は重心が小屋側に行っています。
うーん。
どう倒そうか。
まずは、隣の小さな木を伐採。
続いて、重心が畑側のサクラを倒します。
ここまでは、すんなり行きます。
次に、小屋側に重心が行っているサクラ。
ロープをかけて引っ張りながら、倒しましょう。
なるべく上から引っ張りたい。
こういうときに役に立つのがスローライン。
錘をつけたスローラインを投げて、枝にかけて、太いロープに付け替えます。
ロープをみんなで引きますが、まっすぐ引くと自分たちの方に倒れてきます。
なので、アンカーを取ってロープの向きを変えます。
ロープの準備はできました。
受け口を入れます。
受け口の方向が伐倒方向を決定します。
次いで追い口を入れます。
このときにロープをみんなで引いてテンションをかけます。
追い口と受け口の間には、ツルを残します。
このツルが蝶つがいの役割を果たします。
ツルを残さないと、急に倒れたりして危険です。
追い口を入れて、クサビを打ち込みます。
重心が偏った木の場合は、クサビが有効です。
これを追い口に打ち込むことで、チェーンソーが挟まるのを防ぎ、伐倒方向を確実にします。
ツルを作り、チェーンソーを抜いて、クサビを打ち込みました。
無事、倒れました。
さて、サクラ３本目。
これは難しい。
殆ど小屋に接しており、重心も大きく偏っています。
できれば重心の逆側に倒したいのですが、引っ張っても無理かも。
ちょっとタマネギ畑にかかるかもしれませんが、重心から８時の方向（２４０°）に倒せればいいかな。
慎重に受け口を入れます。
大径木なので、受け口を作るのも一苦労。
水平切りと斜め切りの線をきちんと合わせないとダメです。
合わない場合は切り直して方向を定めます。
よし受け口できた。
ついで追い口。
ロープ引いてください。
途中まで追い口を入れたら、クサビをかませて、ツルを作る。
大径木なので、左右交互にチェーンソーを入れ、ツルを仕上げます。
チェーンソーを抜いて、クサビをハンマーで打ち込みます。
クサビが入るごとに木の重心が移動し、ゆっくり倒れました。
枝先が少しタマネギ畑にかかりましたが、殆ど被害なしですみました。
良かった。良かった。
倒した木をみんなで枝払い、玉切り。
沢山の丸太ができました。
畑の所有者夫婦が、豚汁とおにぎりを持ってきてくれました。
ずっと気がかりだったそうで、伐採してすっきりしたので大変喜んでいました。
感謝の言葉と豚汁で、心も体も温まりました。
続いてアカマツの木。
湖岸に面した家の前にある木で、かなりの大木。
直径６０ｃｍくらいあります。
家の前が暗くなるので伐りたいとのこと。
家や湖岸のサクラに被害を及ぼさないよう、伐倒方向が限られます。
これもロープで引きながら倒しましょう。
まずは、伐倒方向にある支障となるサクラを伐採。
アカマツにロープをかけて、伐採開始。
伐る木の前に立って、伐倒方向を確認します。
受け口を入れますが、あまりに直径が大きいので、左右交互に切り口を入れて受け口を入れます。
大径木の受け口は、直径の１／３以上入れることとなっています。
それだけの受け口を作るのは一苦労です。
ようやく受け口ができました。
続いて追い口。
これも、左右交互に切っていくので一苦労。
途中でクサビをはさんで、追い口を入れツルを作ります。
チェーンソーを抜いて、クサビを打ち込むとアカマツが傾き、どすーんと地響きをさせながら倒れました。
いやあ、大木なので迫力があります。
その後、玉切りと枝払い。
枝も通常伐採している木の幹くらいの太さがあります。
幹ももちろん太くて大変。
かなり時間がかかりました。
玉切りした丸太を運びます。
Ｋさんが、アカマツの切り株をベンチに仕立てていました。
こういう遊び心は大事だなあ。
午前中で終わる計画だったのですが、２時間も超過してしまいました。
（すみません。）
難易度の高い伐採で、みんなの経験値が上がったと思います。
サクラの木はみんなで分けました。
今回の丸太は太いなあ。
・豚汁おいしかったです。温まりました。
・楽しくできました。
・ケガがなくて良かったです。
Ｗさん）今日は、伐採していただいてありがとうございます。
畑の脇のサクラも地域の方がずっと気にされていたので、伐ってもらって良かったです。
私もアカマツ伐っていただいて、景色が開けて嬉しいです。
渡部）お疲れ様でした。サクラ１本と松１本だけなので、すぐ終わるなと思って午前中のみの案内でしたが、難易度が高くて、時間をかなり超過してしまいました。すみません。経験値アップにはつながったかなと思います。
現場は山林ではありませんでしたが、所有者が困っていて我々も伐採木がもらえるということで、会を開催しました。
所有者から感謝の言葉（と豚汁）がいただけたので良かったです。
かなりの大木で伐倒方向も限られる難しい現場でした。
伐倒に時間がかかるのは想定していましたが、枝払いも相当時間を要したのは、予想を超えていました。
また、太い木の伐採を私（渡部）が担当しましたが、チェーンソーの木くずが大きいのと細かいのが混ざっていて、目立てができてなかったので余計時間がかかったかと思います。
目立てがちゃんとできていれば、もっと楽だっただろうなあ。
(reported by 渡部)
(update 2021/12/12)